ニキビダニは、健康な犬にも寄生している、毛根を包んでいる毛包に潜むダニです。
ニキビダニが寄生している母犬の母乳を生まれて間もない子犬が吸うときなど、体を密着させることが原因となって感染を起こします。
ただしニキビダニ症を発症するケースは多くありません。
何かの原因でニキビダニが大量増殖すると、ニキビダニ症という皮膚症状を発症します。
ニキビダニの原因は?
原因として遺伝的素因・免疫不全・代謝疾患・年齢・栄養状態・ストレス・発情などが考えられます。
一般的に母犬から子犬へ接触による感染(垂直感染)が経路が主で、感染した犬から他の成犬へうつることはありません。
ニキビダニの症状は?
症状は、子犬の場合は軽く、目や口のまわり、足先にかゆみ赤みが出ますが、約9割は自然治癒します。
成犬や老犬の場合は、2つのタイプに分けられます。
初めは小さな赤みと皮膚がボロボロになってくる、脱毛するなど、少しずつ症状が進行していきます。
「全身性」
局所型と同じように症状が始まりますが、進行が速く範囲が急に広がったりします。
患部がベチョベチョとしてきて、湿疹様になり皮膚がただれます。
この弱った皮膚に、二次的な細菌感染が起こりると痒みや痛みが増してきます(膿皮症)。
約1ヶ月で全身膿皮症となります。
放置すると気管支肺炎や敗血症で死に至ります。
ニキビダニの診断は?
診断は、特徴的な皮膚症状と、カミソリなどを用いて皮膚を削り(ニキビダニは毛包にいるため)検査します。
一度では見つからないことも多く数回検査を繰り返すこともあります。
ニキビダニの治療は?
治療は、殺ダニ剤の定期的投与と抗生剤の投与、薬用シャンプーの使用です。
殺ダニ剤は、中毒性があるため用法容量に注意が必要な薬です。
獣医師の指示に従って適切な投与が必要です。